芳香蒸留水、どうやって使えばよい?暮らしに取り入れやすい3つの使い方

「芳香蒸留水、どうやって使えばよいですか?」

芳香蒸留水をご紹介するようになってから、そんな質問をたくさんいただきました。

精油なら、ディフューザーで香らせたり、アロマクラフトに使ったりと、なんとなく使い方をイメージしやすいですよね。

でも芳香蒸留水となると、「いい香りだけど、このあとどう使う?」となりやすいようです。

実は芳香蒸留水は、特別な道具がなくても、暮らしの中にとても取り入れやすいもの。

今回は、まず芳香蒸留水がどんなものなのかを少し知っていただきながら、日常で使いやすい3つの方法をご紹介します。

そもそも芳香蒸留水って、どんなもの?

芳香蒸留水

芳香蒸留水は、精油を水で薄めたものではありません。

植物を水蒸気蒸留すると、植物の芳香成分を含んだ蒸気が出てきます。その蒸気を冷やして液体に戻すと、精油と水の部分に分かれます。

この水の部分が、芳香蒸留水です。

水の中には、水に溶けやすい芳香成分などが含まれていて、精油とは成分のバランスも違います。

そのため、同じ植物から作った精油と芳香蒸留水でも、実際に香ってみると印象がかなり違うことがあります。

精油ではしっかりと存在感のある香りでも、芳香蒸留水になると少し軽やかだったり、青っぽさや水っぽさを感じたり。

「精油を薄くしたような香り」を想像していると、最初は少し驚くかもしれません。

でも、そこが芳香蒸留水のおもしろいところ。

精油の代用品というよりも、同じ植物から生まれた、もうひとつの香りとして楽しんでみてほしいと思います。

芳香蒸留水の香りがやわらかいのはなぜ?

芳香蒸留水は、水が主体です。

精油のように芳香成分が高濃度に集まっているものではないので、香り方も穏やかです。

シュッとした瞬間には植物の香りを感じますが、精油を使ったアロマスプレーほど強く残らず、ふわっと香って少しずつ消えていきます。

この軽さが、芳香蒸留水の使いやすいところだと思います。

「精油ほどしっかり香らせなくてもいいな」というときや、暮らしの中にほんのり植物の香りを取り入れたいときにも使いやすいです。

では、ここからは具体的な使い方をご紹介します。

1.空間やリネン類に

いちばん手軽なのは、芳香蒸留水をそのままスプレーする使い方です。

お部屋の空間にシュッとしたり、枕カバーやシーツ、タオルなどのリネン類に使ったり。

精油を使ったスプレーとはまた違う、穏やかな香りを楽しめます。

たとえば、寝る前に枕まわりへ少し。

洗いたてのタオルに。

来客前のお部屋に。

仕事や家事の区切りに、空間へひと吹きするのもよいですね。

香りがずっと残り続けるというより、そのときだけふわっと植物の香りを感じられるので、香りを強く残したくない場面にも取り入れやすいと思います。

布に使う場合は、素材によってシミなどになることもあるので、最初は目立たない部分で確認してから使ってください。

2.手作りコスメの基材として

芳香蒸留水は、化粧水やクリームなどを手作りするときの水分として使うこともできます。

精製水だけで作るときとは違って、植物由来のほのかな香りが最初からあるので、手作りコスメの印象も少し変わります。

かおりとのフェイシャルマスクにも、芳香蒸留水を原料として使用しています。

ここでひとつ知っておいてほしいのが、芳香蒸留水と「防腐」は別に考える、ということです。

植物から作られたものなので、「芳香蒸留水には抗菌性があるのでは?」「これを使えば防腐剤はいらないのでは?」と思う方もいるかもしれません。

実際に、芳香蒸留水の種類によっては抗菌性が報告されているものもあります。

ただ、それだけで手作り化粧品の保存ができるとは考えないほうがよいです。

芳香蒸留水は、あくまで水を多く含むもの。

化粧水やクリームに使うときも、精製水を使う場合と同じように、容器や道具を清潔にして、必要以上に作り置きをしないことが大切です。

「植物の水だから長持ちする」ではなく、水分のあるものだからこそ、衛生管理はきちんとしておきたいですね。

3.アロマスプレーの基材として

もうひとつおすすめなのが、アロマスプレーの基材として使う方法です。

普段、精製水を使って作っているアロマスプレーの水分を、芳香蒸留水に置き換えます。

精製水にはほとんど香りがありませんが、芳香蒸留水にはもともと植物の香りがあります。

そこに精油を重ねるので、精油だけで作ったときとは香りの印象が少し変わります。

たとえば、同じ植物の芳香蒸留水と精油を合わせてみる。

逆に、違う植物同士を組み合わせてみる。

芳香蒸留水のやわらかな香りが土台になるので、「この組み合わせだとこんな香りになるんだ」と、調香の楽しみも広がります。

ただし、芳香蒸留水には香りがありますが、精油を溶かす働きがあるわけではありません。

精製水を芳香蒸留水に変えても、精油と水が分離するのは同じです。

精油を加えてアロマスプレーを作る場合は、エタノールなどを使った通常のアロマスプレーの作り方に沿って作ってください。

芳香蒸留水は、保存にも少し気を配って

芳香蒸留水は精油とは違い、水が主体です。

そのため、精油と同じ感覚で何年も置いておくものではありません。

開封したら、容器の口には触れないようにする。

別のスプレーボトルなどへ移す場合は、清潔な容器を使う。

保存方法についても、その芳香蒸留水に合った方法で管理します。

そして、いつもと違う濁りや浮遊物が見える、香りが明らかに変わっているなど、気になる変化があれば使用はやめてください。

とくに手作りコスメに使う場合は、香りだけで判断せず、清潔に扱うことを意識しておきたいところです。

精油とは違うからこそ、使い分けると楽しい

精油と芳香蒸留水は、どちらがよいというものではありません。

しっかりと植物の香りを楽しみたいときには精油。

もっと軽やかに、暮らしの中へ香りを取り入れたいときには芳香蒸留水。

そんなふうに使い分けてみると、植物の香りの楽しみ方がぐっと広がります。

空間やリネンに。

手作りコスメに。

いつものアロマスプレーの基材に。

「芳香蒸留水を買ってみたけれど、どう使えばいいんだろう?」と置いたままになっているものがあれば、まずは一番気軽にできそうな使い方から試してみてください。

精油とはまた違う、やわらかな植物の香りを楽しんでもらえたらと思います。